こんにちは!
抜歯をする際には注意することが多いです。
解剖学的なことを十分に理解しておき、器具を適切に選択し、状況に応じて臨機応変に対応するなど、
このうち1つでも欠けていると上手くいきません。
特に状況に応じた判断は非常に大切です。
予期せぬことが起きたときに、「わー、どうしたらいいのー!?」となってはいけません。
親知らず抜歯でよくあるのが、「なかなか抜けない」という状況です。
理由は様々ですが、「骨と癒着している」場合になかなか抜けないことが多いです。
レントゲン上で歯と骨の境目がはっきり見えない場合は、これが疑われます。
根っこが太かったり、複数本ある場合は、癒着していると本当にビクともしません。
この場合、骨を大きく削って抜歯しないといけなくなるので、患者さんの負担が非常に大きくなります。
この状況であれば、まず患者さんに説明をします。
「骨を大きく削って抜歯するのか」、「感染している歯の頭の部分を取り除いて根っこを残して閉じるのか」、
選んでもらいます。
ほとんどの方は、根っこを残して閉じる方を選択されます。
歯の根っこの周りに骨が覆ってくれれば大丈夫ですからね。
「なんでもかんでも抜く!」というのはナンセンスです。
患者さんの負担や希望を尊重して治療を選択してもらうべきだと思います。
僕も若い頃は「絶対全部抜く!」と思っていましたが、
それは自己満足みたいなもので、患者さんのことを考えているわけではありませんでした。
腫れたり痛みがしばらく続いたり、抜いた後に歯茎が少し凹んでしまったり・・・
その反省を踏まえ、今では臨機応変に抜歯をするようにしています。
的確な判断力や引き出しの多さは、経験が豊富じゃないと身につかないですからね。
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あきづき歯科クリニック 院長 秋築